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ねぶた

2011年09月07日
所長のつぶやき

ねぶたを見てきました。

8月3日に夏休みの2/5を活用して青森のねぶたを見てきました。
まずは、青森の駅前に市が設けた「わ・ラッセ」。ねぶたの歴史や昨年受賞したねぶたの実物などよく工夫された展示があり、また、お囃子の実演やラッセー・ラッセー・ラッセーナに合わせてのステップ(?)の踏み方などを指導してくれます。祭りの季節でなくとも必見の施設です。

「ワ・ラッセの展示」

友人の友人の骨折りで桟敷席(歩道に折畳み椅子を設置)を確保していただいて、人混みに苦労することなく最前列で楽しむことが出来ました。

この日は、子供ねぶたが15組、大人ねぶたも15組で(例年8月2日、3日に子供の出番があります)、巡回コースに30組が整列して、日が暮れた7時に打上げられる花火を合図に行進をはじめます。一つの組は先頭がねぶた、次に太鼓、その後ろに笛と鉦、しんがりがハネトと呼ばれる踊り手の集団で構成されます。

「太鼓連」

「出発5分前」

子供ねぶたは、地域の子供会が中心で、大人の方もやはり町内会単位が多く、それに企業(JR青森駅など)や自衛隊、地元の大学、短大、車椅子の身障者団体などが参加しています。行進は約2時間で、周回コースを1周して9時頃にやはり花火の音を合図に終わります。

一つの組は、先頭がねぶた本体、次に数連の大太鼓、その後ろに笛と鉦、しんがりがハネトと呼ばれる踊り手の集団で構成されます。これが見事に統制がとれた一団となって、沿道の観衆を沸かせます。

観衆の方も、単に見物客ではなく、ラッセー・ラッセーと掛け声を合唱したり、踊りの輪に飛び込むなど、目の前の行列と一体となって楽しんでいます。私も先達のオジサンに唆されて、短大のお嬢さん方にステップを教えて貰いながら5分間ほど至福の時を戴きました。

「私の先生方」

テレビ画面のねぶたは正面だけですが、側方も、裏側も正面と変わらぬ凝った装飾が施され、圧倒されます。
今年は3月11日の大震災を受けて格別の思いを込められた行事になるだろうと勝手に決め込んでいましたが、先達さんの話だと「頑張ろう日本、頑張ろう東北」の表示がねぶたの随所に見受けられたほかは、いつもの年と変わりがないとのことでした。

幼児の頃は戦火のさなか、少年期はいつも引っ越してきた新参者で、地元の御輿を眺めるだけで、祭りや盆踊りに参加する喜びを味わう経験を知らないままに成人した私にとって、この興奮の源は何だろうかと考えてしまう。
祭りという多数のエネルギーが必要な行事に参加することによって、地域や家族の絆が形成され、連帯が深まるのだろうか。

天神祭、だんじり祭り、祇園祭の宵山、阿波踊りなど今までに見た祭りを思い起こしながら、また、被災地の皆さんが地域の祭り、郷土芸能、野球大会などに遠く離れた避難地から馳せ参ずる報道に接しながら、祭りという非生産的な行事に参加することによって培われる協同的精神が、次の段階の生産的なことの復興への起爆剤になるのではなかろうかと。