もうすぐマンガ大賞というのが発表なんですが、
今年は僕の好きな『グラゼニ』という漫画もノミネートされてて楽しみです。
野球漫画なんですが普通のものとは視点が違っていて、なかなか興味深いんですよ。
主人公は若手のプロ野球選手なんですけど、周りの年収ばかりを気にして
いろいろ分析したり勝手に劣等感を抱いたりします。
話の半分以上がプロ野球界の裏側っていうのが今までになく斬新で面白いです。
どっちかというとほのぼの系で、そんな賞とかノミネートされるとは思ってなかったんで、
それだけでびっくりしました。
まぁ良かったら見てみてください。(でもやっぱり男性向きかな)
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そんなわけで、今回は野球選手の年収にもかかる「所得税」のお話をしたいと思います。
といっても所得税そのものの仕組みとかではなく、来年から25年間(平成49年まで!)に渡って
増税される「復興特別所得税」についてです。
周知のとおり東日本大震災の復興財源として設けられたもので、通常どおり計算された所得税額
の2.1%が上乗せされることになります。
(1) 給料、賞与
確定申告されてる方にとっては再来年の初頭くらいに実感することになるかと思いますが、
源泉徴収されるサラリーマンなどは来年の1月から上乗せ分が反映された新しい源泉徴収税額表
により天引きされることになるので、早めにその負担感を味わうことになると思います。
25年という長きにわたるもので、今働いている人の多くがその現役時代の大半で付き合って
いかなければならない定率増税になります。
総務担当者・給料受給者ともにその点知っておいた方が良いでしょう。
(2) 専門家への報酬
個人の税理士や弁護士などに払う報酬、専門家に支払う講演料・原稿料についても
これまではだいたい10%源泉という感じでしたが、これも割増しになります。
つまり、10%+10%*2.1%=10.21%を源泉徴収する必要があります。
すごく細かい金額になりそうですね。
【例1】総額5万円の税理士報酬を支払う場合の源泉徴収税額は、
(従来) 50,000円×10% =5,000円
↓
(来年1月~)50,000円×10.21%=5,105円
と105円増えることになります。
【例2】原稿料等の実際支払額を5万円にしようとする場合は、
(従来) 55,555円-55,555円×10% =50,000円
↓
(来年1月~)55,685円-55,685円×10.21%=50,000円
ということで、総額を55,685円にする必要があります。(従来より130円増し)
(3) 株式配当・譲渡益、預金利息
株式配当や譲渡益、預金利息に対する源泉税率も上がります。
なお、住民税の源泉税率は据え置きです。
①今年
(イ) 上場株式 ・・・10%(所得税7%、住民税3%)
(ロ) 非上場株式、預金利息・・・20%(所得税15%、住民税5%)
②来年(H25.1~)
(イ) 上場株式 ・・・10.147%(所得税7.147%、住民税3%)
(ロ) 非上場株式、預金利息・・・20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
③再来年以降(H26.1~H49.12)
(イ) 上場株式、非上場株式、預金利息・・・20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
※この年から上場株式の軽減税率も廃止されますので、上記のようになります。
預金利息の源泉を逆算で出す場合はややこしくなりそうな印象。
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まぁそんなこんなで、冒頭のマンガ大賞は『銀の匙』というのになったみたいです。
『グラゼニ』は残念ながら7位。。来年に期待!
受賞作は農業高校の話らしいので、これもなかなか変わった題材ですよね。今度読んでみようかな。
ちなみに農業にも所得税がかかったり、他にもいろいろ税務上の特殊性があったりしますので、
機会があればまた取り上げてみたいと思います。