確定申告が2月16日より3月15日の期間で始まります。
さて、確定申告とはどういう人が行う者なのでしょうか?
所得税については所得の種類について
1.給与所得 給与所得者が勤務先より受ける給料・賞与・役員報酬・専従者給与・議員歳費等の所得
2.配当所得 株式・出資の配当,株式投資信託(公社債投資信託・公募公社債等運用投資信託を除く)などの収益分配金などの所得
3.事業所得 事業を行っている人のその事業から生ずる所得
4.不動産所得 土地や建物,不動産の上に存する権利,船舶・航空機等の貸し付けによる所得
5.利子所得 預貯金・外貨預金の利子,公社債投資信託などの収益分配金などの所得(通常は申告は不要)
6.譲渡所得 土地や建物,株式,外国債券,ゴルフ会員権,機械,船舶,金,権利,書画骨董等の譲渡によって生ずる所得
7.退職所得 退職により勤務先より受ける退職金,適格退職年金契約にもとづく一時金等の所得
8.山林所得 山林を伐採して売却,立木のままで譲渡することによる所得
9.一時所得 生命保険金の満期保険金,懸賞当選金,競馬・競輪等の払戻金,遺失物拾得の報労金
10.雑所得 公的年金や個人年金,原稿料,講演料,印税,非営業の貸し金の利子,先物取引の収入等で上記1.乃至9.の所得に該当しない所得
上記所得の内3.事業所得6.譲渡所得8.山林所得は申告が必要ですが1.給与所得については勤務先で年末調整がおかなわれており、他の所得等に該当しなければ(他の所得が20万円以下の場合を含む)申告の必要はありません
6.については土地や建物以外の譲渡については50万円の控除があります
所有期間5年超であれば1/2にできます
9.については収入金額より必要経費を差し引きさらに50万円の控除がありさらに1/2にできます
10.の公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下で、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、所得税の確定申告をする必要がなくなりました。
所得控除
1.社会保険料控除 健康保険・国民健康保険・国民年金・厚生年金・介護保険などの保険料や国民年金基金の掛金を支払った場合
2.小規模企業共済等掛金 小規模企業共済等掛金、確定拠出年金の個人型年金加入掛金等を支払った場合
3.生命保険料控除 生命保険料や個人年金保険料支払った場合(保険金受取人が本人または配偶者やその親族である場合)
4.地震保険料控除 損害保険契約等にかかる地震等損害部分の保険料や掛金を支払った場合
5.寡婦(夫)控除 配偶者と死別・離婚後に再婚せず、一定の条件に当てはまる場合
控除額は27万円ただし、
男性の場合は合計所得金額が500万円以下で扶養親族がいる場合
女性の場合で合計所得金額が500万円以下で扶養親族がいる場合は35万円
6.勤労学生控除 本人が(合計所得金額が65万円以下の者)勤労学生の場合
7.障害者控除 本人・控除対象配偶者・扶養親族が障害者・特別障害者の場合
8.配偶者控除 合計所得金額が38万円以下の配偶者(控除対象配偶者)がいる場合
9.配偶者特別控除 合計所得金額が38万円超76万円未満で控除対象者(配偶者控除を受けることができる配偶者)に該当しない配偶者がいる場合
10.扶養控除 合計所得金額が38万円以下の生計を一にする子・親の扶養親族がいる場合
①年齢16歳未満の扶養親族に対する扶養控除が廃止されました
②特定扶養親族(控除額63万円)の範囲が、年齢19歳以上23歳未満(改正前:年齢16歳以上23歳未満)の扶養親族とされました
11.基礎控除 すべての納税者
12.雑損控除 自然災害や火災,盗難・横領により資産に損害を受けた場合
13.医療費控除 本人や家族のために医療費を年額10万円以上支払った場合で10万円を超える額(最高200万円まで)
14.寄付金控除 国や地方公共団体など、決められた団体に対し、指定寄付金を支払った場合
給与所得者については勤務先で年末調整がおかなわれており他の所得等に該当しなくても上記控除で該当する事項があり、年末調整に適用されていなければ確定申告により還付を受けることができます。
税額控除
1.配当控除 配当所得のある人
2.住宅借入金等特別控除 住宅ローンを組んで住宅を新築・購入・増築した場合(一定の条件あり)
3.政党等寄付金特別控除 政党などに対する政治活動に関する寄付をしたとき(所得控除)と選択適用
4.住宅耐震改修特別控除 住宅の耐震改修をした場合
5.外国税額控除 日本で課税される所得の内に外国で生じた所得があり、その所得にその国の法令で所得税に相当する金額が課税されていると
税率
課税所得金額
195万円以下 5%
195万円超
330万円以下 10%
330万円超
695万円以下 20%
695万円超
900万円以下 23%
900万円
1800万円以下 33%
1800万円超 40%
定義
収入金額
給与所得 勤務先よりの収入金額
事業所得 売り上げ等
譲渡所得等 譲渡に伴う収入金額(売却額)
所得金額
給与所得 給与所得控除
事業所得 収入金額-必要経費(仕入金額+給与・販売費等・利息等)
譲渡所得等 取得費+譲渡費用
合計所得金額 給与所得・事業所得・譲渡所得等の所得の合計額
課税所得金額 (合計所得金額-所得控除)×税率=税額
税額-税額控除-源泉徴収税額=納税額
参考事項
■ 平成23年分の所得税から適用される主な改正事項について国税庁のホームページより転写しました
1.年金所得者に係る確定申告不要制度が創設されました。
2.扶養控除等が次の通り改正されました。
①年齢16歳未満の扶養親族に対する扶養控除が廃止されました
②特定扶養親族(控除額63万円)の範囲が、年齢19歳以上23歳未満(改正前:年齢16歳以上23歳未満)の扶養親族とされました
③扶養控除の改正に伴い、居住者の扶養親族又は控除対象配偶者が同居の特別障害者である場合において、扶養控除又は配偶者控除の額に35万円を加算する措置に代えて、同居特別障害者に対する障害者控除の額が75万円(改正前:40万円)に引き上げられました
3.(特定増改築等)住宅借入金等特別控除、住宅耐震改修特別控除、住宅特定改修特別税額控除について、平成23年6月30日以後に住宅の新築や購入、増改築等(「住宅の取得等」といいます。)の契約をし、その住宅の取得等に関し補助金等の交付を受ける場合には、その対価の額又は費用の額から補助金等の額を控除することとされました。
4.一定の認定NPO法人又は公益社団法人等に寄附した場合には、寄附金控除(所得控除)と税額控除である認定NPO法人寄附金特別控除、公益社団法人等寄附金特別控除の選択適用ができることとされました。
5.東日本大震災に関して支出した震災関連寄附金につき、寄附金控除の控除対象限度額が、総所得金額等の80%相当額とされました。また、一定の認定NPO法人又は社会福祉法人中央共同募金会に対して支出した震災関連寄附金のうち被災者の支援活動に必要な資金に充てられるものについて受けられる特定震災指定寄付金特別控除が創設されました。
6.東日本大震災の被災者の方に対し、雑損控除の特例や被災事業用資産の損失の必要経費算入に関する特例等が措置されています。
7.上場株式等の譲渡をした場合の譲渡所得等に係る10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)の適用期限が、平成25年12月31日まで延長されました。
※詳しくは個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の平成23年度税制改正のあらましをご覧ください。
8.平成13年9月30日以前に取得した上場株式等の取得費の特例は、平成22年12月31日をもって廃止されました