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VATの払い戻し制度(免税制度)

2011年12月06日
税務・会計情報

ここ最近、新聞やテレビで円高のニュースを見聞きしない日はない。
多くの経済評論家によれば日本円が世界において真に価値あるものとして評価されているわけではなく、消去法による結果だといわれている。

現に、この円高は不況に喘ぐ日本経済に深刻な影を落としている。
しかし、国民はこの円高をただ見守るしかできない。
不安だといって嘆いてもどうにもならないので、この状況を利用して海外旅行にいく人も多い。
私もこの夏、ロンドンに行ってきたが、一昨年訪英した時は、£1=160円くらいだったのが120円になっていた。

とはいえ、ロンドンの物価は日本の1.25倍くらいでそれほど円高の恩恵を受けた気にはならなかった。
ただ、帰国して約一ヵ月後に銀行口座に振り込まれたVATの払い戻し制度(免税制度)による戻り税に「お得感」を感じた。

VATとは買物金額に含まれる現地消費税等のことで、日本の消費税をイメージしていただければよいかと思う。
現地に住んでいない場合は、購入商品を国外に持ち出すと税金の払い戻しが受けられることになっている。
国によって税率は異なるが、EU圏で買物した場合、料金にはすでにVAT(付加価値税)が含まれているが、海外旅行者はこういった税金(日本の消費税などに相当するもの)を支払う必要はない。
従って、一定の手続きをすれば、あらかじめ品物の定価に含まれているVALUE ADDED TAX(付加価値税)の約10%程度が、海外旅行者を対象に払い戻される。

還付が受けられる条件
1.EU圏外からの旅行者であること。
2.商品の購入後90日以内にEU圏外へ出国すること
3.EU圏外からの旅行者が商品購入後3ヶ月以内に未使用の状態でEU圏外に持ち出すこと。

 

商品購入の際の手続きについて(店舗にて)
免税指定のマーク”Tax-Free Shopping”の表示がある店で買い物をした場合に、商品購入時にパスポートを提示し、店から受け取った申請書「免税申請用紙 “VAT FORM”」を店で書類を作成してもらう。

還付を受けるための手続き(出国時の税関で)
出国税関(EU圏では最終出国税関)で、この申請書とパスポート、購入した商品を提示し、書類(ショッピングチェック)に承認印を押してもらう。

還付の方法(換金の手続き方法)
払い戻しには以下の3つの方法のいずれかを選択できる。。
1.現地空港のキャッシュ・リファンド・カウンターで換金。
2.成田・関西空港等の各キャッシュ・リファンド・カウンターで日本円に換金(当日の為替レートが適用)。
3.現地で受取方法を選択した上、専用の封筒に入れポストに投函するか、係員に提出する。帰国後、約2ヶ月でクレジットカードの口座に入金される。

 

手続きに従って書類申請すれば還付される。多くの免税ショップで手続きができる。
ただし自己申告制のため、買物時から出国時まですべて自分で書類の処理しなければならない。
多少手間と時間はかかるが、高額の商品を購入した場合などには確実に払い戻しを受けるためにぜひ活用していただきたい免税制度である。