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~離婚による財産分与~

2011年09月30日
税務・会計情報

近年我が国では、晩婚化が進み生涯未婚の男女も増加傾向にある。日本の未来に希望が持てない。草食系男子の増加。女性の社会進出等その原因はさまざまであるがここでは言及しないことしておく。

厚生労働省の人口動態総覧によると、我が国の平成12年の婚姻数は788,000組であるが、平成22年においてはその数は706,000組に減少している。また、離婚数は平成12年は262,000組であり、平成22年においては251,000組である。

この結果が多いか少ないかは個人的判断によると思われるが、これに基づくと婚姻した夫婦のうち3組に1組は離婚していることになる。

さてここからが本題であるが、離婚の際に笑顔で離婚届を出して円満離婚などという話は皆無といっていいのではないだろうか。現実問題として、財産分与、慰謝料、養育費等の金銭問題がついてまわる。

離婚による財産分与であるが、民法768条によると「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。」と規定されている。離婚による財産分与を受けた者は原則として贈与税は非課税となる(相基通9-8)。

しかし、財産分与をした者についてはみなし譲渡として所得税が課税されることがある事に留意する必要がある。
(ケース1)夫は離婚による財産分与として預貯金1億円を妻に譲渡した。
(ケース2)夫は離婚による財産分与として先祖代々受け継がれてきた土地(時価1億円)を妻に譲渡した。

(ケース1)の場合所得税はかからないが、(ケース2)の場合は、土地の時価1億円-取得価額5百万円=95,000万円が譲渡所得とみなされ、夫に所得税が課せられる。

(ケース2)は、夫が土地を一旦譲渡し現金化して、その現金を妻に財産分与したという考え方である。
これは、我が国の譲渡所得が「資産を手放した人」への課税という清算課税説に基づいているからである。
直感的に判断すると、間違いが起こりやすいケースであるので注意が必要です。