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古文書を退治しましょう

2011年10月24日
事務所からのご提案

会社を継続していると、いろいろな書類が増加して、事務スペースを圧迫している。
そして肝心の必要書類を探すにも時間がかかって仕方がない。
「こんな筈ではなかった。いつも整理を心がけているのに。」とお考えの方も少なくないとお察し申し上げます。
そこで今回は、法定の保存期限を経過した書類の退治を中心に一緒に考えましょう。

1.経理・税務関係の法定保存年限
会社文書の保存年限は、会社法、国税通則法・法人税法・消費税法などの税法、電子帳 簿保存法などの多岐の法律にわたって規定されている。
また、保存年限の起算日も大別するとその書類の作成日、帳簿の閉鎖日、申告書提出期限の翌日など書類によって異なりますが、その辺りは書類の性格から適宜判断するとして、大別すると次のとおりです。

10年
① 計算書類および付属明細書(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表)
② 会計帳簿(総勘定元帳・各種補助簿)
③ 事業に関する重要書類(株式申込書・株式台帳・株式名義書換簿・配当簿など)

要約すると、決算書・主要帳簿・株式関係書類です。

7年
① 取引に関する帳簿(仕訳帳・現金出納帳・固定資産台帳・売掛帳・買掛帳など)
② 決算関連書類(10年①の書類以外)
③ 現金・預貯金の収受に際して作成された取引証憑書類(領収書・預金通帳・小切手、手形控・振込通知書など)
④ 取引証憑書類(請求書・注文請書・契約書・見積書・仕入伝票など)
⑤ 電子取引の取引情報にかかる電磁的記録(注文書・契約書・送り状・領収書・見積書その他通常記載される事項の記録)
⑥ 扶養控除等申告書・配偶者特別控除申告書・保険料控除申告書・住宅借入金等特別控除申告書
⑦ 源泉徴収簿(賃金台帳)
⑧ 課税仕入等の税額の控除に係る帳簿・請求書等(5年経過後は帳簿・請求書等のいずれか)
⑨ 資産の譲渡等、課税仕入、課税貨物の保税地域からの引取に関する帳簿

要するに、補助簿、伝票類のグループ、年末調整等の源泉徴収関係と消費税関係の書類です。

5年
① 監査報告(監査役設置会社等の場合)
② 会計監査報告(会計監査人設置会社の場合)

なお、支店備置き分のこれらの謄本は3年です。

2.総務・労務関係の法定保存年限
この分野では、会社法のほか、労基法、製造物責任法など多方面の法律が絡んできます。
全部は網羅できませんが、ポピュラーなものをいくつか挙げると次のとおりです。

10年
① 株主総会議事録
② 取締役会議事録
③ 監査役会議事録
④ 製品の製造、加工、出荷、販売の記録

5年
① 従業員の身元保証書
② 事業報告(本店備置き分。支店の謄本は3年。)
③ 産業廃棄物処理の委託契約書
④ 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の写し

4年
① 雇用保険の被保険者に関する書類(資格取得等確認通知書、転勤届受理通知書)

3年
① 労働者名簿
② 雇入れ、解雇、退職に関する書類
③ 賃金その他労働関係の重要書類(タイムカード、残業命令書、残業報告書など)
④ 労災保険に関する書類
⑤ 労働保険の徴収・納付等の関係書類

 

3.それでもやっぱり永久保存
1.2.で法定保存期限のある書類をざっと見てきましたが、法定のあるなしにかかわらず、次のような書類は、無期限に保存している会社が多いようです。
そして、やはり保存していて良かったと思われる書類が多いような気がします。
① 定款
② 株主名簿
③ 登記・訴訟関係書類(権利書など)
④ 官公署への提出書類・官公署からの許可書・認可書など
⑤ 知的所有権に関する関係書類
⑥ 効力の継続する契約書
⑦ 議事録(株主総会・取締役会・監査役会)
⑧ 財務諸表・付属明細書、税務申告書
⑨ 固定資産台帳および固定資産の取得・売却に関する書類
⑩ 顧客名簿
⑪ 外部団体への加入・脱退関係書類

法定保存期間が定められている書類については、最終保存年別に段ボール箱等に区分して詰め合わせ、その年の年末に永久保存が必要と判断されるもを抽出して、その他のものは、思い切って、廃棄されるようにお奨めします。
ダンボール箱等には、内容物を記載した紙を貼っておきましょう。
きっと、事務スペースが広がり、過去の書類を探すのにも便利になるでしょう。